「夫婦で一緒に会社を立ち上げて、家族でチームとして働きたい!」
そんな理想を抱く方もいらっしゃるかもしれません。
私たち夫婦も、二人で合同会社を設立し、それぞれの事業を一つの会社で行うという働き方をしています。
しかし、夫婦で一緒にビジネスを始めることは、聞こえが良い反面、多くの難しさやリスクも伴います。
今回は、私たち夫婦が「家族でチームの働き方」を実践する上で、特にリスク管理についてどのように考え、どのようなステップを踏んできたのか、そしてこれから挑戦しようとする方々へのアドバイスをお伝えしたいと思います。
夫婦で起業、聞こえは良いけど現実は…?
夫婦で飲食店を経営したり、どちらかが立ち上げた会社のサポートに入るという形はよく聞きます。そして、それで成功しているご夫婦もたくさんいらっしゃいます。
しかし、いきなり夫婦揃って会社を辞めて独立し、全く新しい事業に挑戦するというのは、大きなリスクを伴う可能性があります。
経済的な不安定さはもちろん、それによって夫婦関係が悪化してしまっては本末転倒です。「家族でチームになりたい」という想いで始めたことが、逆に家族をバラバラにしてしまう危険性も否定できません。
私たち夫婦は、挑戦することには前向きですが、リスク管理に関しては比較的慎重なタイプ。特に、子どもが生まれてからは、より一層慎重に物事を考えるようになりました。
リスク管理の重要性:「プランA・B・Cまで考える」
我が家のタイムリーな話をすると、夫(コータ)が肘を骨折し、手術をすることになり、リハビリを含めたら2ヶ月以上かかるという事態になりました。突然の怪我や病気などを含め、どんなにポジティブに考えていても、予期せぬ事態は起こり得ます。
ビジネスにおいても同様で、「絶対にうまくいく」という保証はどこにもありませんし、どんなに気を付けていても予期せぬトラブルやハプニングはいつ起こるかわかりません。
だからこそ…
- 最悪の事態を想定しておく
- プランAがダメだった場合の、プランB、プランCまで考えておく
- それを夫婦間で共有し、共通認識を持っておく
これらが非常に重要だと考えています。
「聞きたくないかもしれないけど、こうなった時はどうしようか?」という話し合いを、事前にしておく。これは、ネガティブな思考ではなく、万が一の事態に備えるための建設的な準備です。
私たち夫婦の独立ステップ:「順番に」がキーワード
では、私たち夫婦はどのようにして現在の働き方に至ったのでしょうか?
それは、「二人同時」ではなく、「順番に」独立したという点が大きなポイントです。
まず妻(ミオ)が独立
私が会社員を辞め、個人事業主としてWebライターの仕事を始めました。最初は収入も不安定でしたが、数年間かけてビジネスの勉強をしたり、Web制作など単価の高い仕事に挑戦したりする中で、徐々に事業を軌道に乗せることができました。この間、夫は会社員として家計を支えてくれました。
妻の事業が安定してから、夫が独立
私の事業がある程度の収入を見込めるようになり、「夫が仕事を辞めても、家族を養える」という見通しが立った段階で、夫に会社を辞めてもらいました。そして、夫も独立し、現在の施設管理の仕事を始めたタイミングで、夫婦で会社を立ち上げました。
(ちなみに、このタイミングで長女が生まれたため、実際には夫は独立と同時に育児メインの生活に入りました。)
この「段階を踏んで独立する」というステップは、私たちにとって非常に良かったと感じています。
「順番に独立」のメリットとは?
経済的なリスク分散
夫婦のどちらかが安定した収入を得ている間に、もう一方が新しい挑戦をすることで、経済的な不安を軽減できます。
精神的な安定
片方が新しいことに挑戦する際、もう片方が精神的な支えとなり、安心して取り組める環境を作ることができます。
考え方のシフトをじっくりと
会社員マインドから起業家マインドへ移行するには時間がかかります。一人が先に独立し、その経験をパートナーと共有することで、スムーズな移行を促すことができます。私がゼロから事業を立ち上げ、試行錯誤しながら成長していく過程を、夫が一番近くで見てくれていたことは、彼が独立する際の大きな安心材料になったと思います。
夫婦で一緒にビジネスをする難しさ
夫婦で一緒にビジネスをすることは、素晴らしい面もたくさんありますが、やはり難しい面も多いと感じています。
性格の違い、価値観のすれ違いなどが、ビジネス上の意見の対立に繋がり、それが夫婦関係にまで影響を及ぼしてしまう可能性も。
私たちの周りにも、夫婦で事業を始めたものの、うまくいかずに別々の道を選んだり、あるいは事業は継続していても、夫婦関係に悩みを抱えているケースも見られます。
- 「夫婦で一緒にビジネスをするのは、基本的には難しい」という前提を持つ
- お互いの努力はもちろん、リスク管理や事前の計画をしっかりと行う
- うまくいかなかった時のことも考えておく
夫婦で起業に挑戦する前に、必ずこういった夫婦での話し合いや決め事をしておきましょう!
夫婦で起業は焦らず、慎重に。でも挑戦する気持ちを忘れずに!
夫婦で新しい働き方に挑戦することは、素晴らしいことです。しかし、勢いだけで行動し、大きなリスクを背負ってしまっては、元も子もありません。
私たち夫婦の経験からお伝えしたいのは、
- いきなり大きなリスクを取るのではなく、段階を踏んで挑戦すること。
- 夫婦でしっかりと話し合い、万が一の事態も想定した計画を立てること。
- お互いの性格や得意なことを理解し、最適な役割分担を見つけること。
そして何より、「家族でチームになる」という本来の目的を見失わないことです。
私たちの周りには、様々な形で「家族でチームの働き方」を実践している素敵なご家族がたくさんいます。最初から完璧な形を目指すのではなく、試行錯誤しながら、自分たち家族にとってのベストな形を見つけていくことが大切なのかもしれません。
このブログが、これから夫婦で新しい一歩を踏み出そうとしている方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。