「お金の使い方の価値観が合わない…」
これは、夫婦関係において非常に大きな問題に発展しかねない、デリケートなテーマです。
特に、私たちのように夫婦で会社を経営し、自分たちでビジネスを動かしていると、お金に対する考え方や使い方は、一般的な会社員の方とは異なる部分も多いかもしれません。
今回は、「家族でチームの働き方」を実践する私たち夫婦が、「自己投資」や「事業投資」といったお金の使い方について、どのように考え、夫婦間で価値観をすり合わせているのかをお話しします。
「消費」ではなく「投資」としてお金を使う
私たちが大切にしているのは、お金を使う際に「これは消費なのか、それとも投資なのか?」という視点を持つことです。
例えば、何か新しい知識や技術を学ぶために30万円の講座を受けるとします。金額だけ見れば「高い!」と感じるかもしれません。でも、それは、お金を「使う(消費する)」という感覚が強い場合の反応です。
しかし、私たちのようなビジネスを自分たちで行う立場では、「投資」という感覚が非常に重要になります。
例えば、この30万円を投資することで、得られた知識や技術を活かして50万円、100万円と稼げるようになれば、それは非常に価値のある投資。回収できる見込みがあるなら、「30万円は安い」という考え方になります。
大切なのは、お金を費やすことで何が得られるのか、将来的にどれくらいのプラスになって返ってくるのかを考えること。そして、それを夫婦間でしっかりと共有し、理解し合うことだと思っています。
夫婦で「投資」の価値観を共有する重要性
例えば、もし夫婦の一方が「学びたい!」と高額な講座を希望した時、もう一方が「高すぎる…」と感じてしまったら、そこで価値観のすれ違いが生まれてしまいますよね。
私たち夫婦は、自己投資や事業投資にお金を使う場合は、以下のことを夫婦でしっかり話し合うように意識しています。
- 投資する側は、回収できる見込みや覚悟をしっかりと説明する。
「これを学ぶことで、数ヶ月後にはこれだけ稼げるようになるから信じてほしい」と具体的に伝えられるか。 - パートナー側は、その可能性を信じ、応援する姿勢を持つ。
自己投資や事業投資が、将来的に大きなリターンを生む可能性を理解し、挑戦を後押しできるか。
このようなコミュニケーションが、夫婦がお金に対してポジティブなアクションを起こすためには不可欠です。
挑戦すること自体にも大きな意味があり、それを応援し合える関係は、夫婦の絆を深めることにも繋がるでしょう。
「時間」や「心の余裕」を生み出すためのお金も「投資」
自己投資や事業投資といった、自分やビジネスを成長させるための投資だけでなく、「時間を生み出すための投資」も非常に重要だと考えています。
例えば、私たちが実践しているのが家事代行サービスを利用すること。
一見すると贅沢に感じるかもしれませんが、それによって生まれた時間や心の余裕を、さらに価値のある活動(仕事、家族との時間、自己研鑽など)に使うことができれば、それは立派な「投資」です。
経営者の方々が家事代行をよく利用するのは、単にお金があるからではなく、時間や心の余裕に価値を置いているから。
私たち夫婦も、以前は「家事は自分たちでやるもの」という価値観でしたが、今は「時間や心の余裕」を優先し、家事代行やベビーシッターなども必要に応じて利用(投資)しています。
お金の価値観は夫婦で「正解」を決めるもの
お金の使い方に絶対的な正解はありません。節約を重視する人もいれば、経験や学びに積極的にお金を使いたい人もいます。
大切なのは、夫婦や家族単位で「何を大切にし、何にお金を使うのか」という価値観をすり合わせ、共通の認識を持つことです。
私たち夫婦の場合、幸いにもブランド品や高級車といった「見栄え」に関するものにはあまり興味がありません。
- 家族みんなで海外へ行くなどの「体験」
- 楽しい時間を過ごすための「思い出」
- 心のゆとりや時間的な余裕を生み出すための「サービス」
夫婦での共通の価値として、こういったことにお金を使いたいと考えています。
自己投資の原点:留学で得た「お金以上の価値」
私自身(妻)が自己投資を初めて経験したのは19歳の専門学校時代。英語が話せるようになりたいと思い、外国語の専門学校に通いながら、夏休み・冬休みなどの長期休暇を利用して、留学に挑戦しました。
うちは家庭が裕福ではなかったので、自分でアルバイトをいくつも掛け持ちしてお金を貯め、貯めたお金を海外留学に費やしてきました。
当時は「自己投資」という意識はありませんでしたが、今振り返ると、それが私にとって最初の大きな自己投資だったと感じています。
留学費用はもちろん安くはありません。でも、留学で得られたものは、語学力だけでなく、異文化に触れることで得られた広い視野や価値観、コミュニケーション能力でした。「日本の常識だけが全てではない」と気づけたことは、何物にも代えがたい財産です。
この経験が、今の私の「必要な学びや経験にはしっかりお金をかけて投資する」という考え方の原点になっています。
お金をかけることで「本気度」は上がる?
お金を使うことは、必ずしも成果を保証するものではありませんが、「本気度」を上げる効果はあると感じています。
私たち夫婦は以前、ダイエットのためにRIZAP(ライザップ)に通い、高額な料金を支払いました。結果はもちろん痩せましたが、サービス内容が特別だったかというと、そうでもない。
しかし、「これだけのお金を払ったのだから、絶対に結果を出す!」という強い意志が生まれ、それが成功に繋がった面は大きいです。
一方で、夫はキックボクシングの試合に出る際、お金はかけずに厳しい減量を成功させました。この時は「試合に出る」という明確な目標と、「このままでは危険だ」という危機感が本気度を引き出しました。
つまり、お金をかけることだけが本気度を上げる方法ではありませんが、何かを達成したい時、お金、時間、労力、覚悟といった「投資」の総量が大きいほど、本気度も高まり、結果に繋がりやすくなると言えるでしょう。
まとめ:夫婦で「お金の価値観」を話し合おう
お金の使い方は、夫婦の価値観が如実に表れる部分です。
「消費」で終わらせるのか、将来の「投資」と捉えるのか。この認識が夫婦でズレていると、思わぬところで衝突が生まれる可能性があります。
ぜひこの機会に、夫婦でじっくり話し合ってみてはいかがでしょうか。
- 自分たち夫婦は何を大切にしているのか?
- 何にお金を使うことに価値を感じるのか?
- 将来のために、どんなことにお金や時間、労力を「投資」していきたいか?
そのすり合わせが、「家族でチームの働き方」をより豊かに、そして確かなものにしていくはずです。