私たち夫婦は、「家族でチームの働き方」を実践する中で、少しユニークな役割分担をしています。
それは、妻の私(ミオ)が主に収入を得る仕事を担当し、夫(コータ)が育児をメインで担当するという形です。(もちろん、状況に応じて柔軟に対応していますが、子どもたちの急な発熱や病院の付き添い、予防接種などは基本的に夫が対応し、私は仕事を優先させてもらっています。)
長女が生まれてから約3年半、このスタイルを続けてきました。
今回は、実際に「パパ育児」をメインで担当してきた夫に、その中で感じたこと、良かったこと、大変だったことなどを、パパ目線で率直に語ってもらいました。
パパ育児、やってみてどうだった?
育児の経験をさせてもらえて良かったと心から思っている。
夫・コータより
子どもたちが保育士さんなどから『すごくいい子ですね』『いい感じに育ってますね』と言ってもらえることが結構あるんだけど、自分の関わりが、子どもたちの良い影響に繋がっているなら嬉しい。
私たち夫婦の認識として、子どもたちは2人とも比較的育てやすく、素直な良い子に育ってくれていると感じています。(親バカな部分ももちろんあるかもしれませんが。笑)
これが私たちの関わり方(特に夫の育児参加)の成果なのか、元々の性格なのかは分かりませんが、夫が育児に積極的に関わってきたことは、少なからず良い影響を与えているんだろうな、と夫婦で実感しています。
パパが育児に関わることのメリットは?
最近の研究では、父親が育児に関わることで、子どもの心の安定や社会性、非認知能力(IQなどでは測れない力)の発達に良い影響があると言われています。
特に、0歳から3歳頃の関わりが重要だという話には、私たちも驚きました。
この時期は「ママっ子」になりやすいイメージがありましたが、パパからの多様なコミュニケーション(言語的・非言語的)に触れることで、子どもの視野が広がり、偏りのない発達に繋がるのかもしれません。
また、パパならではのダイナミックな遊びや、子どもの挑戦を後押しする関わり方も、子どもの成長にとって大切な要素だと感じています。
我が家では、外遊びや公園遊びは主に夫の担当。私はどうしても心配性で行動を制限しがちなので、この役割分担はパパママそれぞれの性格的にもストレスが少なく、バランスが良いと感じます。
パパ育児で「大変だったこと」は?
何をやっても「ママじゃなきゃ嫌だ!」ってなる時は大変だったね。今もだけど。
夫・コータより
これは、多くのパパが経験することかもしれません。
子どもが「ママがいい!」と泣き叫ぶ時、無理にパパが引き離そうとすると、かえって関係が悪化してしまうことも。そんな時は、ママが対応できるなら素直に任せ、対応できない場合は「ママがいいよね」と共感しながらなだめる…という地道な対応が必要になります。
特に、私がオンラインで仕事をしている最中に、ドアの向こうで30分も泣き続けられると、「自分の仕事(育児)なのに対応できない…」という無力感を感じることもあったようです。
実は、長女の時は私が全く同じ経験をしました。当時は長女が「パパっ子」で、何をしても「パパがいい!」と泣かれ、途方に暮れたものです。
この「何をしてもダメ」という無力感や大変さをお互いに経験し、共有できたことは、夫婦の理解を深める上で非常に良かったと感じています。片方しか経験していないと、「もう少し頑張れるんじゃない?」と思ってしまいがちですから。
子どもの体調不良、特に入院時の付き添いも大変だったことの一つ。これまでに計3回、夫がメインで付き添い入院を経験しましたが、特に言葉もおぼつかない時期の長女の入院は、精神的にも体力的にもかなりきつかったようです。(その時、私は第二子妊娠中でした)
実際に育休をとって、育児に参加した周りのパパたちのリアルな反応
男性が積極的に育児に参加することについて、夫の周りの人たちの反応は、年代や経験によって大きく異なりました。
子どもがすでに大きくなっている先輩パパたちの声としては
「そんなに育児に関われるなんて羨ましい。自分はできなかった。戻れるなら関わりたい。」
世代・年代的にも、今のように気軽に男性育休を取れるような状態ではなかったというのもあるかと思いますが、育児をしてこなかったパパたちの多くは、「もっと育児に参加すれば良かった」と思っているようです。
その一方で、男性育休も幅広く知られるようになり、実際に育児に積極的に参加している同年代のパパたちからは…
「育児はめちゃくちゃ大変だけど、学びが多い!育休とって良かった!!」
という声だけではなく…
「実際に育休をとって育児に参加したけど、思った以上に大変で結局ママがメインで育児をしてる」
「仕事をしている方が断然ラクだし、やりがいを感じるから、早く仕事に戻りたい…」
このように、実際にやってみたけど、育児の大変さに直面し「自分には無理だ、向いていない」と挫折したり、自信をなくすパパたちも多いという現実を目の当たりにしました。
夫が「パパ育児」を続けられた理由
実際に育児の大変さを痛感し、「仕事の方が楽だ」と感じるパパも多い中で、なぜ夫は「パパ育児」を続けられたのでしょうか?
そんなにきつくないのかもしれない。何でも楽しめるというか、仕事でも育児でも、良い部分にフォーカスしてやれているのかも。
夫・コータより
夫は、育児特有の「コントロールできない部分」「予期せぬ出来事」を楽しめるタイプなんだと思います。
計画通りに進まなくても、それを「どうクリアしようか?」とゲームのように捉え、あれこれ試行錯誤すること自体が苦にならない。
私は予定通りにいかないとイライラしてしまうタイプなので、これは夫の大きな強みであり、育児に向いている点だなと改めて感じました。
(以前、夫が「一人で子ども二人を連れて外食チャレンジ!」と意気込み、案の定カオスな状況になったことがありましたが、本人は「楽しかった」とケロッとしていました。こういう冒険心も、夫ならではかもしれません。)
最後に:パパ育児は「性格」も大きい?でも、関わることの価値は無限大
夫が3年半メインで育児を担当してきて、特に大きなトラブルもなく、子どもたちが健やかに育ってくれているのは、夫の「育児を楽しむ」という性格が大きく影響しているのかもしれません。
もちろん、子どもの年齢が上がればまた新たな課題も出てくると思います。私たち夫婦も、子育ての「正解」はないと考え、日々話し合いながら、その時々のベストな関わり方を模索しています。(子どもたちへの対応は主に夫が担当していますが、教育方針などについては夫婦でしっかり話し合っています。)
今回の夫の話を聞いて、改めて「パパが育児に積極的に関わること」の価値を感じました。大変なことも多いけれど、それ以上に得られる喜びや子どもの成長への良い影響は無限大だと思います。
この経験が、これからパパ育児に挑戦しようとしている方や、夫婦の役割分担に悩んでいる方々の、何かしらのヒントになれば嬉しいです。