「家族でチームの働き方」を目指す上で、夫婦間の役割分担は避けて通れないテーマです。
特に、仕事と家庭のバランスをどう取るか、どちらが「攻め」でどちらが「守り」を担当するのか。
この共通認識が夫婦間でズレていると、思わぬところで不満が噴出し、関係が悪化してしまうことも…。
私たち夫婦は、この役割分担をスポーツの「オフェンス(攻め)」と「ディフェンス(守り)」に例えて考えることで、お互いの状況を理解しやすくなるのではないかと感じています。
特にうちは、夫がサッカー部で、私もサッカー観戦が好きという共通点があるので、サッカーのポジションに例えて話すことで、より明確にイメージしながら盛り上がりました。
今回は、この「攻めと守り」という視点から、私たち夫婦の役割分担や、他のご家庭にも応用できそうな考え方についてお話しします。
私たち夫婦の「攻めと守り」:現在は妻がオフェンス、夫がディフェンス
まず、私たち夫婦の現在の役割分担からご紹介します。サッカーのボジションにも当てはめてみました。
妻(ミオ):オフェンス(攻め寄りのミッドフィルダー)
主に収入を得る(お金を稼いでくる)役割。
ただし、家事や育児(守り)も完全に手放すわけではなく、必要に応じてディフェンスラインまで戻ってカバーする。走り回ってマルチタスクをこなすのが得意(そして疲れる)。
夫(コータ):ディフェンス(キーパー兼、必要な時に攻め上がるディフェンダー)
主に家庭を守る(育児、子供たちの急な対応など)。
基本的には守りに徹し体力を温存。ただし、チャンスや指示があればオフェンスにも参加する(消防士のような心構えらしいが、最近骨折してベンチウォーマー…笑)。
この役割分担は、お互いの希望、向き不向き、そして現在のタイミング(子供の年齢など)を考慮して決めたもので、固定的なものではありません。数年後には逆転している可能性も、このまま継続している可能性もあります。
この「攻めと守り」のイメージを夫婦で共有することで、
「今、夫(妻)はどのポジションで頑張ってくれているのか」
「チームとして、どこが手薄になっているのか」
といったことが具体的に把握しやすくなり、必要な対策(例えば、外部のサポートを頼むなど)も考えやすくなります。
いろんな夫婦の「攻めと守り」のパターン
この「攻めと守り」の考え方を、様々な家庭・夫婦のパターンに当てはめてみると、いろいろな形が見えてきます。
- 一般的なパターン?:夫がオフェンス、妻がディフェンス
夫が外で働き、妻が家庭を守りつつ、仕事はセーブ気味。これでバランスが取れていれば素晴らしい形です。 - 夫婦ともにオフェンス(パワーカップル)
夫婦それぞれが独立してバリバリ働く。この場合、家庭の「守り」が手薄になりがち。
重要なのは、夫婦双方が「うちは二人ともオフェンスだ」と自覚し、ディフェンスをどう補うか(家事代行、ベビーシッター、祖父母の協力など)を真剣に考えること。ここをお互いに押し付け合ってしまうと、「なんで私(俺)ばっかり…」という不満が溜まり、関係が悪化する原因になります。 - 夫婦ともにディフェンス
夫婦ともにあまり積極的に攻めたくない場合。この場合は、会社員として安定した収入を得る(戦う相手のレベルを調整する)といった選択も考えられます。
「フォワードがキーパーまで戻る」大変さを想像できますか?
特に共働きで、夫婦ともにオフェンス(例えば、二人ともフルタイムで責任ある仕事をしている)の場合に起こりがちなのが、「どちらかが無理をしてディフェンスも兼任する」という状況です。
サッカーに例えるなら、最前線でシュートを狙っているフォワードが、急に「キーパーがいないぞ!」と監督に怒鳴られ、自陣のゴールまで猛ダッシュで戻り、必死でゴールを守るようなもの。
これを日常的に繰り返していたら、どんなに体力があっても疲弊してしまいます。
仕事モードから、子供の急な発熱で一気に育児モードへ切り替え、会社や保育園に頭を下げ、子供の対応に追われる…この一連の流れは、まさに「フォワードがキーパーまで戻る」大変さに匹敵するのではないでしょうか。
この大変さを夫婦で理解し、感謝の言葉を伝え合うだけでも、お互いの気持ちは大きく変わるはずです。
「フォワードなのに、キーパーまで戻ってくれてありがとう」この一言が、頑張る力になるのです。
自分はどのポジションが得意?希望は?夫婦で話し合おう
「攻めと守り」の役割分担を考える上で大切なポイント。
- それぞれの得意なポジション、心地よいと感じるポジションはどこか?
- 本人がどのポジションを望んでいるのか?
これらを夫婦でしっかりと話し合うことです。
仕方なく苦手なポジションをやらされている、という状況は長続きしません。
私たち夫婦の場合、二人とも「ミッドフィルダー」タイプ(攻めも守りもやりたい、全体を見て動きたい)だと分析しています。
ただ、夫は一度ポジションを決めるとあまり動きたくない(腰が重い)タイプ。私は状況に応じて攻めにも守りにも素早く切り替えられるけれど、その分疲れやすいタイプ。
このようなお互いの特性を理解しているからこそ、「今は夫がフォワードに専念して、私が中盤で動き回ろう」あるいは「今は私が攻めるから、夫はしっかり守ってて」といった柔軟な連携が可能になります。
最後に:スポーツに例えて、夫婦の役割分担を話し合ってみませんか?
「家族はチーム」です。
チームスポーツに例えて夫婦の役割分担を話し合うと、特にスポーツ好きな男性には理解しやすく、建設的なコミュニケーションが取りやすくなるかもしれません。
- 自分たちのチームの現在のフォーメーションは?
- それぞれの得意なポジションは?希望するポジションは?
- チームとして、どこを強化する必要がある?
- そのために、どんな作戦を立てる?
このような視点で夫婦の現状を見つめ直し、お互いの理解を深めるきっかけになれば幸いです。
私たちも日々試行錯誤しながら、「家族でチームの働き方」を追求していきたいと思います。